美津島町(読み)みつしまちよう

日本歴史地名大系 「美津島町」の解説

美津島町
みつしまちよう

面積:一一九・九八平方キロ

対馬島の中央部やや南寄りに位置する。浅海あそう(浅茅湾)の東辺から南西に及ぶ内海部と、日本海に面した東海岸、つまり対馬海峡(東水道)側に臨む一帯に大別され、朝鮮海峡(西水道)に臨む西海岸には集落がない。北東部は豊玉とよたま町に続き、南の厳原いづはら町とは大山壇おやまだん(二二一メートル)しら(五一九メートル)大坂壇おおさかだん(三五二メートル)などの山系を境とする。山嶺が海岸部まで張出してごう崎・いも崎・たけ崎・綱掛つなかけ崎・折瀬おりせ鼻・大梶おおかじ鼻など大小の岬となり、外浅海そとあそう(外浅茅)・内浅海(濃部浅茅)三浦みうら(東浅茅)に多数の入江を形成しており、このため海岸線の延長キロ数は日本の自治体では最長とされる。くろ島・島山しまやま(面積四・七一平方キロ)根緒ねおの三島、くさ島・みの島・おきノ島(面積二・四四平方キロ)・中ノ島・ねずみ島・おお島など島も多い。西の大口おおぐち瀬戸から東の大船越おおふなこし瀬戸・万関まんぜき瀬戸を用いれば、朝鮮海峡・対馬海峡は船で通航できるが、この船越・万関瀬戸は後代の開削になるもの。またむらさきノ瀬戸(住吉の瀬戸)がある。河川では白嶽の東を流れる洲藻すも川がある。東部を国道三八二号、主要地方道の厳原豆酘いづはらつつ―美津島線、中央部を県道の竹敷たけしきけち線・対馬空港線が通る。

町域では縄文時代の遺跡が住吉すみよし瀬戸、芋崎海岸、黒瀬の皇后くろせのこうご崎で発見され、採集された黒曜石石鋸は九州北西部や朝鮮半島の南海岸でも出土しており、当時の交流がうかがえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報