藤原(栃木県)(読み)ふじはら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「藤原(栃木県)」の意味・わかりやすい解説

藤原(栃木県)
ふじはら

栃木県の中央部から北西部、塩谷郡(しおやぐん)にあった旧町名(藤原町(まち))。現在は日光市(にっこうし)の北東部を占める地域。旧藤原町は1935年(昭和10)町制施行。1955年三依(みより)村を編入。2006年(平成18)日光市に合併。東武鉄道鬼怒川(きぬがわ)線と、第三セクターによる野岩(やがん)鉄道会津鬼怒川線、国道121号とそのバイパスの鬼怒川有料道路、日塩もみじラインが通じる。旧町域は鬼怒川の上流部とその支流男鹿(おじか)川の谷からなり、その渓谷美と五十里(いかり)ダムのせき止めによる五十里湖、鬼怒川、川治(かわじ)の二大温泉、鶏頂(けいちょう)山のスキー場など観光資源を結び付けた温泉観光都市である。温泉の発見は元禄(げんろく)年間(1688~1704)と古いが、日光神領内であったため開発は遅れ、大正時代以降、とくに1929年の東武鉄道日光線開通後、温泉観光地として発展してきた。

[櫻井明久]

『『藤原町史』全2巻(1980、1983・藤原町)』

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