蔵敷料(読み)くらしきりょう

改訂新版 世界大百科事典 「蔵敷料」の意味・わかりやすい解説

蔵敷料 (くらしきりょう)

貨物を倉庫業者に預けた荷主が支払う貨物保管料。昭和初期まで商慣用語として使われたが,今日では倉庫保管料という。江戸時代の大坂蔵屋敷では,蔵米の入札販売後30日間は蔵屋敷が無料で米を保管した。しかし実際上,無料保管期限(〈追出し〉という)は徐々に延長され,9~18ヵ月となった。〈追出し〉後は10石に付き1日1~2升の蔵敷料(番賃)が徴収されたが,これが1石に及ぶときは保管米を売却して,代銀で預かるしくみとなっていた。明治初年の大阪の〈商慣例調〉によると,蔵敷料は1~2ヵ月を単位として,貨物の数量もしくは価格を基準として徴収されることになっていたが,土佐問屋,砂糖問屋などにおいては蔵敷料を取らないことを原則としていたという。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android