蔵上村(読み)くらのえむら

日本歴史地名大系 「蔵上村」の解説

蔵上村
くらのえむら

[現在地名]鳥栖市蔵上町くらのえまち

安良やすろ川がつくる扇状地平野に立地。東は宿しゆく村、北は養父やぶ村、西は安良川を境に佐賀藩領山浦やまうら村に接する。南は佐賀藩領轟木とどろき村であるが、村域の一部は南へ安良川曲流部に延びて佐賀藩領幸津さいつ村とも接する。現在の字内精うちしらげ外精ほかしらげ平塚ひらつかなどの地がそれで、長崎街道はここを通る。村の南に枝村木添きぞえがある。

観応三年(一三五二)の安楽寺領注進目録(大宰府神社文書)には「半不輸 戸倉光御方押領之 半免御領小松丸同之 牛原御領同之 半免行武名同之 生野同之 倉上庄同之 巨勢庄 義得別府同之」とある。「倉上庄」の前後にこの地付近に比定される荘園名があげられていること、ならびに氏神に菅原道真を祀ることから当村一帯にこの荘園の存在を考えることもできる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報