巨勢庄(読み)こせのしよう

日本歴史地名大系 「巨勢庄」の解説

巨勢庄
こせのしよう

和名抄」賀陽郡巨勢郷の郷名を継ぐものか。古瀬庄とも記す。正保郷帳上房じようぼう郡に載る古瀬を冠した九村、すなわち有漢うかん川流域の現巨勢町一帯に推定される。庄内祇園ぎおん寺があった。寛喜三年(一二三一)六月二二日、高野法印貞暁の遺領であった当庄は西園寺実兼の子道勝に譲られ、幕府評定によって領掌が認められた(吾妻鏡)。建治三年(一二七七)一二月四日の寂印書状(仁和寺文書)に「自関東被返進候之上、如元可有御沙汰之由、可申旨候」とあり、室町期には京都仁和寺門跡領となっていること、この書状が仁和寺文書に含まれていることからみて、仁和寺への幕府からの返還と推測される。

巨勢庄
こせのしよう

現巨勢町一帯。後白河法皇長講堂領で、建久二年(一一九一)一〇月の長講堂所領注文(島田文書)によれば、巨勢庄は長講堂に対して御簾五間、御座六枚、殿上料紫畳二枚、侍所垂布一反、砂七両、御八講砂五両、御神祭神籬片具、雑仕装束一具、御更衣畳二枚、月充御殿油一石九升五合、門兵士三人、移花一五枚を負担した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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