華徳院(読み)けとくいん

日本歴史地名大系 「華徳院」の解説

華徳院
けとくいん

[現在地名]大洋村汲上

汲上くみあげの中央、東に鹿島灘を望む台地上にある。近津山宝徳寺と号し、天台宗本尊阿弥陀如来。安和二年(九六九)慈泉の開基と伝えられる。明徳三年(一三九二)火災により諸堂宇は焼失したが、応永元年(一三九四)に叡繁によって再興された。天明八年(一七八八)再度火災にあい、庫裏・本堂を残すのみとなった。また華徳院の北一〇〇メートルにある観音堂は大同元年(八〇六)創建と伝えられ、通称汲上観音とよばれる。鹿島神宮と密接に関係をもち(「中居幹村寄進状」彰考館蔵)、近隣諸郷の信仰の中心として繁栄した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報