菩薩戒(読み)ボサツカイ

デジタル大辞泉 「菩薩戒」の意味・読み・例文・類語

ぼさつ‐かい【××薩戒】

仏語大乗菩薩が受持する。悪をとどめ、善を修め、人々のために尽くすという三つの面をもつ。梵網ぼんもうに説く十重禁戒四十八軽戒きょうかいなど。大乗戒

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精選版 日本国語大辞典 「菩薩戒」の意味・読み・例文・類語

ぼさつ‐かい【菩薩戒】

〘名〙 仏語。
① 大乗の菩薩が受持すべき戒。菩薩としての自覚を持って受持するもので、止悪・修善・利他の三つの面を持つ三聚浄戒の性格を持つ。小乗の声聞戒と異なり、僧俗七衆が共通した戒法を受けるが、日本では鑑真来朝以後、梵網経による梵網戒が一般的。大乗戒、仏性戒などともいう。菩薩戒律。菩薩浄戒。
※続日本紀‐天平勝宝八年(756)一二月己酉「聞道。有菩薩戒。本梵網経。功徳巍々。能資逝者」 〔法苑珠林‐八九〕
② ①を授けること。また、その行事。長谷寺では、五月に広く一般庶民に授戒した。
※観智院本三宝絵(984)下「五月 長谷菩薩戒」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「菩薩戒」の意味・わかりやすい解説

菩薩戒
ぼさつかい

三聚浄戒」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の菩薩戒の言及

【受戒】より

…日本でも司馬達等(しばたつと)の娘善信尼は588年(崇峻1)に百済に渡って受戒・戒律を学んだし,仏教の隆盛とともに自度僧が乱出したため,受戒制度の必要が痛感され,753年(天平勝宝5)唐僧鑑真一行の来航となった。三師七証の10人による受戒制はここに確立し,754年4月に東大寺大仏殿前に仮設の戒壇が設けられ,聖武上皇,光明皇太后などが菩薩戒を受け,沙弥など400余人が一行より受戒,翌755年10月に常設の戒壇院が大仏殿の西方に創建された。その後761年(天平宝字5)に下野国薬師寺,筑前大宰府の観世音寺に東国,西国を対象とする戒壇院が建立され,諸国の沙弥などは生国により,いずれかの戒壇にて授戒をうけた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」