荒神河原(読み)こうじんがわら

日本歴史地名大系 「荒神河原」の解説

荒神河原
こうじんがわら

かも川西岸、荒神橋付近の河原。

近衛大路(現荒神口通)東端にあたるので近衛このえ河原とよばれ、「平家物語」にも「故近衛院の后(中略)九重の外、近衛河原御所にぞうつりすませ給ける」とある。また寛仁三年(一〇一九)藤原道長が創建した法成ほうじよう寺の東にあたり、「法成寺河原」ともよばれた。「太平記」巻二七(御所囲ム事)は貞和五年(一三四九)八月「十三日卯刻ニ、武蔵守師直、子息武蔵五郎師夏、雲霞ノ兵ヲ相そつしテ法成寺河原ニ打出テ」と記している。しかし、慶長五年(一六〇〇)きよし荒神(常施寺)高辻たかつじ堀川(現下京区)から現上京区荒神町に移って後は「清荒神社ノ東川原、惣謂荒神河原(雍州府志)とあるように荒神河原とよばれ、「山州名跡志」は「近衛河原、此号今無シ、近衛通京極ノ東鴨川ノ西也」といっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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