色・艷(読み)いろう

精選版 日本国語大辞典 「色・艷」の意味・読み・例文・類語

いろ・う いろふ【色・艷】

[1] 〘自ハ四〙
① 美しい色合になる。色彩が映える。
和泉式部集(11C中)下「いかばかり思ひおくとも見えざりし露に色へる撫子の花」
② 色が美しく入り交じる。色彩が交錯する。
源氏(1001‐14頃)若菜下「山藍に摺れる竹の節は松の緑に見えまがひ、かざしの色々は秋の草に異なるけぢめ分かれで、何事にも目のみまがひいろふ」
③ よく見えるようにする。つくろう。
一遍上人語録(1763)上「身の振舞にいろはねば、人目をかざる事もなし」
[2] 〘他ハ下二〙
① 色どる。彩色する。配色する。
※彌勒上生経賛平安初期点(850頃)「文(あや)、綺(イロヘ)画けるに同じ」
② 金属や宝石などを鏤(ちりば)め飾る。
※竹取(9C末‐10C初)「この皮ぎぬ入れたる箱を見れば、くさぐさのうるはしき瑠璃を色えて作れり」
③ (①から転じて) 文章や演技など技巧に工夫を凝らす。潤色する。
※今鏡(1170)一〇「もろこしに白楽天と申しける人は、七そぢの巻物作りて、ことばをいろへ、たとひをとりて、人の心をすすめ給へりなど聞こえ給も」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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