航海遠略策

山川 日本史小辞典 改訂新版 「航海遠略策」の解説

航海遠略策
こうかいえんりゃくさく

幕末期の長門国萩藩長井雅楽(うた)が唱えた,日本の対外進出を推進する政策論。文久年間に雄藩は競って朝廷工作を強めるが,萩藩では1861年(文久元)3月長井の建議にもとづき,航海遠略策をもってのぞんだ。これは朝廷の鎖国攘夷論を海外進出策に転じさせることで,幕府と朝廷の融和を図ろうとするものであった。長井は同年5月京都,7月江戸で関係者を説得したが,藩内外の尊攘派を中心に反発を招き,翌年6月失脚。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報