自他不二(読み)じたふに

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自他不二」の意味・わかりやすい解説

自他不二
じたふに

大乗仏教用語。自己他人とは別人でありながら,しかも不二の存在であるという考え方。およそこの世でだれにとっても,最もいとしいものは,おのれ自身であるが,他人にとっても同様である。ゆえに自己を愛する者は他人を愛し守る者でなければならないと考える。仏もまた衆生を自己と等しい者と考え,衆生の苦悩するとき,仏もまた苦悩し,苦悩から解放し救いたいと考える。救済観念は自他不二の考えが根底となっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android