聞立(読み)きこえたつ

精選版 日本国語大辞典 「聞立」の意味・読み・例文・類語

きこえ‐た・つ【聞立】

〘他タ四〙 (「きこえ」は言うの意の謙譲語)
① 口に出してやかましく催促申しあげる。
蜻蛉(974頃)上「しぶしぶなるに、もの歩みきてきこえたてば、のどかならでかへりぬ」
② とりたてて言葉をおかけ申す。話しかけ申しあげる。
読本春雨物語(1808)目ひとつの神「みやこの何がし殿の、あづまの君に聞たち、申し合さるべきにて」

きき‐た・つ【聞立】

〘他タ下二〙
① とりたてて聞こうとする。心を用いて聞く。
古今六帖(976‐987頃)五「君とわれ人ぞさらなるいで君人のなかごとききたつなゆめ」
② よくよく尋ねまわる。熱心に聞き出す。
言継卿記‐大永八年(1528)三月七~一二日紙背・女房消息「又人がほしく候。たれにもおほせ事候て、御ききたて給べく候」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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