老神(読み)おいがみ

改訂新版 世界大百科事典 「老神」の意味・わかりやすい解説

老神[温泉] (おいがみ)

群馬県北部,沼田市の片品川渓谷に臨む温泉。単純硫化水素泉,47~66℃。多くの旅館露天風呂をもち,一般向けの観光温泉地である。付近には薗原(そのはら)ダムや吹割渓谷があり,秋の紅葉はとくに美しく,高山彦九郎若山牧水が歌を残している。古くは〈脚気(かつけ)川湯に瘡(かさ)老神〉と称され,性病に特効があるといわれた。赤城山神が日光男体山神との戦いに敗れて逃げ帰った時,男体山神がここまで追ってきたという伝説があり,追神とも書いた。また赤城山神が逆襲して追い返した所が,沼田市の旧利根村役場のあった追貝(おつかい)だともいう。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報