美川(愛媛県)(読み)みかわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「美川(愛媛県)」の意味・わかりやすい解説

美川(愛媛県)
みかわ

愛媛県中部、上浮穴郡(かみうけなぐん)にあった旧村名(美川村(むら))。現在は久万高原町(くまこうげんちょう)の中部を占める一地域。1955年(昭和30)仕七川(しながわ)と弘形(ひろかた)の2村と中津村の一部が合併して美川村となり、2004年(平成16)久万町、面河(おもご)、柳谷(やなだに)の2村と合併、久万高原町となる。旧美川村は、仁淀(によど)川上流の面河川と久万川流域の山村で、国道33号、494号が通じる。美川の名称は面河川の美しさにちなんだもの。旧土佐街道(国道33号)に沿う交通の要地であった。面積の約9割が山林で、スギヒノキの人工林が多く、葉タバコや茶、高冷地野菜の栽培も盛ん。縄文早期の住居跡である上黒岩岩陰遺跡(かみくろいわいわかげいせき)は国指定史跡で、出土品を展示する考古館がある。四国八十八か所第45番札所の岩屋寺(いわやじ)があり、境内の岩峰群「岩屋」は国指定名勝。上黒岩地区に移築・保存された旧山中家住宅(江戸時代)は国指定の重要文化財。面河川と久万川の合流点にある御三戸嶽(みみとだけ)は県指定名勝。

[横山昭市]

『『美川村二十年誌』(1975・美川村)』


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