紫外線顕微鏡(読み)シガイセンケンビキョウ

デジタル大辞泉 「紫外線顕微鏡」の意味・読み・例文・類語

しがいせん‐けんびきょう〔シグワイセンケンビキヤウ〕【紫外線顕微鏡】

可視光線の代わりに紫外線を利用した顕微鏡光学顕微鏡の一。可視光線よりも紫外線の方が波長(約200~400ナノメートル)が短いため、分解能が高い。キセノンランプ水銀灯光源とし、蛍光板に投影して眼視で観察したり、写真撮影をしたりする。スライドガラスレンズには紫外線を透過する素材を使う必要がある。

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百科事典マイペディア 「紫外線顕微鏡」の意味・わかりやすい解説

紫外線顕微鏡【しがいせんけんびきょう】

可視光線の代りに,波長約400nm〜200nmの紫外線を用いる顕微鏡。光学顕微鏡の分解能は使用光の波長に反比例するので,可視光線の場合より分解能が高い。光源には水銀灯やハロゲン灯を用いフィルターで波長を制限し,レンズに石英ガラスを使用,蛍光板で直視または写真撮影する。顕微分光光度計と接続して細胞内のタンパク質,核酸の局在部位の検出定量に用いることも可能。蛍光顕微鏡も紫外線を用いるが原理は異なる。
→関連項目顕微鏡

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「紫外線顕微鏡」の意味・わかりやすい解説

紫外線顕微鏡
しがいせんけんびきょう
ultraviolet microscope

照射用光源として水銀アーク灯などから出る紫外線フィルタを通して単色光にして用いる顕微鏡。顕微鏡の分解能は照射光の波長に逆比例するから,200~400nmの紫外線を用いると可視光線を使う場合に比べて2~3倍の分解能を得ることができる。眼に見えない光であるから写真撮影するか,ケイ光板を使って直視できるようにする。光学系には紫外線を透過する石英レンズが使われる。

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世界大百科事典(旧版)内の紫外線顕微鏡の言及

【顕微鏡】より

…分解能を向上(値を小さく)するためには,開口数を増大するか波長を短くすることになる。この目的のために波長の短い紫外線を利用した紫外線顕微鏡が用いられることもある。(2)開口数 対物レンズの光軸上物体の1点から発してレンズに入る光線のうち光軸となす最大傾角をu,また物体と対物レンズ間の媒質の屈折率をnとすると,nsinuを開口数と呼ぶ。…

※「紫外線顕微鏡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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