納枡(読み)おさめます

日本大百科全書(ニッポニカ) 「納枡」の意味・わかりやすい解説

納枡
おさめます

中世において荘園(しょうえん)領主などが、年貢米を収納するために使用した枡。各荘園単位で使用されたため荘枡(しょうます)(庄斗)ともよばれた。中世社会では、量制が無統制であったため多様な枡が発生したが、納枡のほか、領主が一定基準に計量し直す領主枡、領主米の支払いに使用する下行枡(げぎょうます)の3種が一般的であった。容積は3種のうちで最大であるが、偏差が甚だしく、以下領主枡、下行枡の順となっている。

小島 晃]

『宝月圭吾著『日本史学研究叢書 中世量制史の研究』(1961・吉川弘文館)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android