粉熟(読み)ふずく

精選版 日本国語大辞典 「粉熟」の意味・読み・例文・類語

ふ‐ずく【粉熟】

〘名〙 米・麦・豆・胡麻(ごま)などの粉を餠にし、ゆでて甘葛(あまずら)をかけ、こね合わせて、細い竹筒の中におし入れてかためた菓子。筒から突き出し、切って食べる。ふんずく。
延喜式(927)三八「諸司年料 〈略〉内膳司造供御粉熟料」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の粉熟の言及

【和菓子】より

…唐菓子には多くの種類があった。《和名抄》などが〈八種唐菓子〉と呼ぶ梅枝(梅子)(ばいし),桃枝(桃子)(とうし),餲餬(かつこ),桂心(けいしん),黏臍(てんせい),饆饠(ひら∥ひちら),子(ずいし),団喜(だんき)(歓喜団(かんぎだん)とも)のほか,餅腅(へいだん),粉熟(ふずく),索餅(さくべい)(麦縄(むぎなわ)),捻頭(ねんとう),結果(加久縄)(かくなわ∥かくのあわ),糫餅(曲)(まがり),餛飩(こんとん),餺飥(はくたく),餢飳(伏兎)(ぶと),粔籹(興米)(おこしごめ),煎餅などがあったという。八種唐菓子のうち,《和名抄》に製法の記載があるのは餲餬と黏臍で,いずれも小麦粉をこね,前者は蝎虫(かつちゆう)(サソリとも,キクイムシともいう),後者は臍(へそ)形にして油で揚げたものとなっている。…

※「粉熟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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