筏改所跡(読み)いかだあらためしよあと

日本歴史地名大系 「筏改所跡」の解説

筏改所跡
いかだあらためしよあと

享保六年(一七二一)渡月橋畔に設置され、のち天龍てんりゆう寺領三軒屋さんげんや西に移転。運上所うんじようしよともいう。大堰おおい(桂川)上流の園部そのべ宇津うつ世木せぎ両郷(現京都府船井郡日吉町・八木町・北桑田郡京北町)を中心に生産された薪は、大堰川を筏で下して嵯峨に集積された。その量は幕末期で年間約五〇万束といわれる。

薪の積荷については、延宝九年(一六八一)に筏の間幅とともに「あだ木少しも乗さセ申間敷候」協定が、嵯峨材木屋と保津ほづ峡の筏輸送を担当する保津・山本両村(現亀岡市)の筏師の間で結ばれていたが、産地の薪商人が一筏に二、三百から七、八百束も上積みするようになり、争論となって元禄九年(一六九六)、伏見奉行所にて「水しき能時分者、軽キ筏五十把、重キ筏ニ者見合」ということで落着した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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