立紛(読み)たちまぎれる

精選版 日本国語大辞典 「立紛」の意味・読み・例文・類語

たち‐まぎ・れる【立紛】

〘自ラ下一〙 たちまぎ・る 〘自ラ下二〙
人目につかないように物かげなどに立つ。しのびかくれて立つ。
太平記(14C後)一三「今より後の御有様、如何と心苦く覚て、透垣(すいがき)の中に立紛(マギレ)て見(みたま)へば」
② (「たち」は接頭語) 他に入りまじってはっきりしなくなる。
※大観本謡曲・安達が原(1465頃)「いふ声はなほ淒しき夜嵐の音に、立紛れ、失せにけり」

たち‐まが・う ‥まがふ【立紛】

〘自ハ四〙 霧や煙などが立ちひろがって他のものと見まちがえるようになる。
※類従本伊勢大輔集(11C中)「秋は霧春は霞に立まかひしほやくけふりつねことぞみる」

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