突崩(読み)つきくずす

精選版 日本国語大辞典 「突崩」の意味・読み・例文・類語

つき‐くず・す ‥くづす【突崩】

〘他サ五(四)〙
① 積みあげてあるものや整っているものなどを突いてくずす。
今昔(1120頃か)三一「水池に多く満ける程に、其の穴本として堤被突頽(つきくづされ)にけり」
咄本・軽口露がはなし(1691)五「たがひに盤の上にて手をねぢあい、あげくの事に黒白の石をつきくずし」
戦陣などで、突き入って敵陣を乱す。
※両足院本山谷抄(1500頃)九「衝は合戦の時、一番にかかる車ぞ。其をだにつきくづせばかうぞ」
浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)五「味方は運に乗ったれば二三度四五度つきくづし」
③ 相手の弱点などを突いて、その立場や考え方などを動揺させる。
明暗(1916)〈夏目漱石〉九七「お延の自分に対する信用を、女に大切な其一角に於て突(ツ)き崩(クヅ)すのは」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android