稲叢・稲村(読み)いなむら

精選版 日本国語大辞典 「稲叢・稲村」の意味・読み・例文・類語

いな‐むら【稲叢・稲村】

〘名〙
① 刈り取った稲を乾燥させ、脱穀するまでの間、空地などに積み上げておくもの。にお。いなづか。いなにお。《季・秋》
※応和三年伊尹君達春秋歌合(963)「かりなきてうち積(つ)みわたるいなむらの秋のたねこそ春にまくらめ」
② 稲の乾燥のために稲掛けに掛けた稲の束。
※雑俳・柳多留‐四五(1808)「稲むらのやうにからげる二人(ふたり)扶持
③ 稲を積んだ形に作った歌舞伎大道具の一つ。
※歌舞伎・お染久松色読販(1813)大切「本舞台三間の間、一面の浅黄幕。〈略〉能き所に誂の稲村

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