科野郷(読み)しなのごう

日本歴史地名大系 「科野郷」の解説

科野郷
しなのごう

中世郷。猿投神社本「本朝文粋」巻二紙背文書正安二年(一三〇〇)の熱田社領大郷早田検見注進状案に「寺田五反 科野殿跡三丁」とある。明徳二年(一三九一)の熱田座主注文案(醍醐寺文書)に「一所 科野郷」とあり、科野郷は熱田社の座主領であった。「建内記」の正長元年(一四二八)五月二一日条には「長講堂領 尾張国科野郷」とあり、長講堂領となっている。庄内川を挟んだ西側の篠木しのき庄も長講堂領であり、熊野那智大社の「執行道珍跡配分目録」(米良文書、応永二八年・文安四年)の「尾張国シノキノ旦那、シナノト云所ニモアリ」との記述から、篠木と科野の結びつきが確認される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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