福州船政局(読み)ふくしゅうせんせいきょく

山川 世界史小辞典 改訂新版 「福州船政局」の解説

福州船政局(ふくしゅうせんせいきょく)
Fuzhou

馬尾(ばび)船政局ともいう。清末,福州馬尾に設立された官営造船所。1866年閩浙(びんせつ)総督左宗棠(さそうとう)が設立し,沈葆楨(ちんほてい)が初代船政大臣になり,フランス人技師の監督もとに,69年最初の汽船を建造し,74年までに14隻を建造した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の福州船政局の言及

【官営工業】より

…一方,李鴻章は上海製(せいほう)局,蘇州製局を設立し,65年これらを合して上海に江南製造局を開き,外国人技師を招致して,武器・弾薬・汽船を製造した。66年左宗棠は福州に福州船政局(福州馬尾船廠)を設立し,フランス人技師および職工数十人を雇って機械の製造法を伝えさせ,イギリス人技師は航海法を講じた。雲南,山東,吉林,浙江などの各地方にも次々と機器局が設立され,それらは各地の関税を資金源としていた。…

【左宗棠】より

…60年曾国藩の推挙で湘軍を率いて太平軍と戦い,翌年浙江巡撫,63年(同治2)閩浙(びんせつ)総督となっておもに浙江省を転戦,杭州を回復し66年までに福建,広東の太平軍残党を制圧した。この間英仏軍の協力をうけ,またフランス人の援助を得て福州の馬尾に造船所(福州船政局)を作り海軍の創設に努め,洋務運動の先駆となった。ついで陝甘総督となり68年西捻軍を71年西北の回族反乱を鎮圧し,さらにコーカンドのイスラム教徒ヤークーブ・ベクの独立運動を抑えて新疆を確保した。…

※「福州船政局」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android