福の神(福運を授けると信じられている神々)(読み)ふくのかみ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

福の神(福運を授けると信じられている神々)
ふくのかみ

人に幸福や長寿などの福運を授けると信じられている神々。なかでも七福神(しちふくじん)はよく知られている。恵比須(えびす)、大黒天(だいこくてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)、布袋(ほてい)、福禄寿(ふくろくじゅ)、寿老人(じゅろうじん)、弁才天(べんざいてん)の七神のことだが、これらは本来別々に信仰されていた。七福神として形成されたのは室町期で、現世利益(げんぜりやく)的な欲求や個人的な願望が高まった町衆文化のなかではぐくまれたといわれている。こうした福神信仰はさらに近世町人の間にも浸透し、金銀財宝や米俵を積んだ宝船と結び付いて、掛軸その他の縁起物としてもてはやされた。一方、寺社側も祭神喧伝(けんでん)に努めて多くの信者を獲得する。こうしたなかで七福神詣(もう)でが発生・流行することになった。

[佐々木勝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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