祖母・傾山地(読み)そぼ・かたむきさんち

日本歴史地名大系 「祖母・傾山地」の解説

祖母・傾山地
そぼ・かたむきさんち

九州山地の北部、大分・宮崎両県境にひときわ高くそびえる奥祖母おくそぼ山地は九州本島では九重くじゆう山群に次いで高い。祖母・傾山地は同山地の北西部を占め、南東部は大崩おおくえ山地とよばれている。祖母・傾山地は竹田市・緒方おがた町、宮崎県高千穂たかちほ町境にそびえる主峰祖母山(一七五七メートル)を中心に、西方国観くにみ峠・越敷こしき岳、南および東方に障子しようじ岳・古祖母ふるそぼ(一六三三メートル)尾平おびら越・本谷ほんたに(一六四三メートル)九折つづら越と連なり、緒方町三重みえ町・宇目うめ町、宮崎県日之影ひのかげ町の境には当山地の東の主峰傾山(一六〇二・二メートル)がそびえ、祖母傾国定公園を形成している。山地はわが国中央構造線の一部、臼杵うすき八代やつしろ構造線に沿っており、秩父古生層を基盤として第三紀に噴出した前後二回の火山岩類によって構成されている。最初の火山活動では祖母火山岩類とよばれる溶岩(流紋岩・安山岩・石英安山岩など)が噴出し、壮大な火山を形成したと考えられるが、のち地塊運動を受け、断層などによって山容は著しく変容した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の祖母・傾山地の言及

【大分[県]】より

…外帯にあたる南部は主として秩父古生層や中生層などの水成岩層から構成された山地で,九州山地の北東部にあたる。この中で宮崎県境に高くそびえる祖母・傾(かたむき)山地(主峰祖母山,1757m)は,秩父古生層上に新生代の火山活動が行われて形成されたものである。長崎三角帯にあたる北部は新旧の火山活動による溶岩類が累積して形成されたところで,次の三つに大別できる。…

【祖母山】より

九州山地の北部,大分・宮崎両県の県境西部に位置する山。祖母傾(そぼかたむき)山地の主峰で,嫗(うば)岳とも呼ばれる。標高1757m。…

※「祖母・傾山地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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