社山疎水(読み)やしろやまそすい

日本歴史地名大系 「社山疎水」の解説

社山疎水
やしろやまそすい

天竜川左岸の社山で寺谷てらだに用水から引水する疎水。太田おおた川流域七〇ヵ村の水田干害を受けることが多かったので、元治二年(一八六五)同川流域の二八村の願いにより天竜川の用水を磐田原台地東部に拡大する議定が交わされた(「取替議定書下書」豊岡村役場収集文書)。天竜川左岸の上野部かみのべ村地内から上神増かみかんぞ村地内まで掘割り、さらに社山村地内を切割り、敷地しきじ川流域を経て分水するという、幕府勘定奉行所普請役犬塚祐市郎の目論見であったとされるが、資金難や村々の利害対立のため実現をみなかったものらしい(鈴木家文書)。明治一六年(一八八三)関係村々は社山疎水普通水利組合を結成し、社山村地先で隧道七三〇間をうがち、寺谷用水を経て天竜川の水を導入する工事計画を立てた(磐田郡誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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