硫酸クロム(読み)リュウサンクロム

化学辞典 第2版 「硫酸クロム」の解説

硫酸クロム
リュウサンクロム
chromium sulfate

】硫酸クロム(Ⅱ):CrSO4(148.06).金属クロム希硫酸に溶解して得られる.七水和物,五水和物,一水和物が知られているが,無水物は得られていない.水に溶けやすく,空気中ではきわめて酸化されやすい.分析試薬,還元剤として気体からの酸素吸収剤に用いられる.[CAS 13825-86-0:CrSO4・5H2O]【】硫酸クロム(Ⅲ):Cr2(SO4)3(392.18).クロムミョウバン水溶液に濃硫酸を加えて冷却すると,水和物(おもに十八水和物)が得られる.水和物を熱すると無水物が得られる.無水物は,水,酸に不溶.高温では分解する.十八水和物は紫色結晶.熱すると,十七水和物,九水和物,六水和物,三水和物を経て無水物を生じる.水和物は水に易溶.染色皮革工業クロムめっき,研磨剤,うわぐすりの製造,防腐剤,パッチテスト試薬などに用いられる.[CAS 10101-53-8:Cr2(SO4)3][CAS 15244-38-9:Cr2(SO4)3nH2O]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報