石灰窒素法(読み)せっかいちっそほう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「石灰窒素法」の意味・わかりやすい解説

石灰窒素法
せっかいちっそほう

炭化カルシウム粉末を約1000℃に加熱し窒素を通じて石灰窒素を得る方法。1895年ドイツのカロN. CaroとフランクA. Frankが開発したプロセスで、空中窒素固定工業最初のものである。なお、石灰窒素に過熱蒸気反応させるとアンモニアを発生するので、アンモニア合成工業が隆盛になるまでは、この反応がアンモニアのおもな製造法であった。

[塩川二朗]

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世界大百科事典(旧版)内の石灰窒素法の言及

【空中窒素固定】より

…しかしアーク法には,原料が空気と水だけという利点があり,そこで,電力以外の熱源を考えたり,原子炉を利用して放射線で窒素N2,酸素O2をイオン化して反応させるなどの手段も検討されている。硝酸(3)石灰窒素法 炭化カルシウムと窒素との固相‐気相反応を行わせると,カルシウムシアナミドと炭素との混合物(石灰窒素)が得られる。 CaC2+N2―→CaCN2+C石灰窒素は窒素肥料になり,また有機質石灰窒素誘導体の出発物質である。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」