知多半島古窯跡群(常滑窯)(読み)ちたはんとうこようせきぐん

日本歴史地名大系 の解説

知多半島古窯跡群(常滑窯)
ちたはんとうこようせきぐん

知多半島には、七〇〇基に及ぶ中世古窯の存在が知られており、消滅あるいは未発見の古窯を含めれば優に一千基を超えるものと推定される。この古窯跡群は、知多半島古窯跡群、または常滑とこなめ窯とよばれる。その分布域は、半島北部の大府市・東海市・知多市、東浦ひがしうら町・阿久比あぐい町、半島中央部の常滑市・半田市、および半島南部の武豊たけとよ町・美浜みはま町・南知多みなみちた町で半島のほぼ全域にわたる。

現在、制作年代を推定できる常滑窯の製品には、京都市今宮いまみや神社境内出土の三筋壺があり、共伴遺物から埋納は天治二年(一一二五)で、また、和歌山県日高ひだか比井若一王子神社経塚ひいにやくいちおうじじんじやきようづか出土の壺は、経巻の奥書から保元三年(一一五八)に埋納された。同様な例が他に四例ほどあるが、いずれもその胎土や焼成状態から半島中央部の製品と推定されるから、少なくとも半島中央部においては、一二世紀前半代に陶器生産が始まったと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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