矢合観音(読み)やわせかんのん

日本歴史地名大系 「矢合観音」の解説

矢合観音
やわせかんのん

[現在地名]稲沢市矢合町 本郷

国分こくぶん寺の西隣にある。民間信仰の一つで民家橋本家の一室に十一面観音が安置されている。

「感興漫筆」によると、一八世紀中頃、円興えんこう(現国分寺)より祷呪の法とともに橋本家に与えられ、初め乳の病と指の痛みのみ祈念していたが、一九世紀中頃、藤四郎の代に諸病の平癒を祈念するようになった。苗木商人・植木職人により近国近在に藤四郎の名が知れ渡り、三河美濃・伊勢からの来訪もあった。祈祷は「浄衣の背に梵字を書したるを着、香を焚き鐘をならして先念仏三帰の文、般若心経・舎利礼諸尊の真言を誦し称名し了て、仏前に置たる紙の畳みたるを納めて病人にむかひ念仏三帰文を唱へ空書す」という方法であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android