矢中御殿跡(読み)やなかごてんあと

日本歴史地名大系 「矢中御殿跡」の解説

矢中御殿跡
やなかごてんあと

[現在地名]水沢市 矢中

矢中地区の俗称一本杉にあった。この地域は広大な平地耕地の所々に原野沼沢があったので、留守氏の遊猟地となり、邦命の時に建てられ、御仮屋とも称した別荘である。優れた建築で遠景はすこぶる美観であったという。安政元年(一八五四)七月一関藩主田村邦行を招き、互いに胸襟を開き幕末の国事を談じたことがあった(留守文書)。水沢地方は鶴・雁・鴨・鴻などが飛来するので、近くの田小路たこうじ川に水をたたえ、餌を与えて鳥類を集めていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android