着脹(読み)きぶくれる

精選版 日本国語大辞典 「着脹」の意味・読み・例文・類語

き‐ぶく・れる【着脹】

〘自ラ下一〙 きぶく・る 〘自ラ下二〙 (「きふくれる」とも) たくさん重ね着をして、からだがふくれあがる。きふくだむ。
発心集(1216頃か)一「紙ぎぬなむどの云ふばかりなく、ゆゆしげにやれはらめきたるを、いくら共なくきふくれて」
※父の詫び状(1978)〈向田邦子〉お軽勘平「日頃は厚手の下着セーターで、ぼてぼてと着ぶくれていたのが」

き‐ふくだ・む【着脹】

〘自マ四〙 =きぶくれる(着脹)
堤中納言(11C中‐13C頃)貝あはせ「山吹・紅梅・薄朽葉・あはひよからず、きふくだみて」

き‐ぶくれ【着脹】

〘名〙 着物を幾枚も重ねて着て、ふくれ上がっていること。《季・冬》
※禅鳳雑談(1513頃)中「むらさきしきぶなどの、物をきふくれなどしては、おかしく候」

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