痴付(読み)おこづく

精選版 日本国語大辞典 「痴付」の意味・読み・例文・類語

おこ‐づ・く をこ‥【痴付】

[1] 〘自カ四〙 ばかみたいに見える。みっともなく見える。
源氏(1001‐14頃)帚木「すかい給ふを、心は得ながら、鼻のわたりおこづきて語りなす」
[2] 〘他カ四〙 ばかにする。おこがる。
今昔(1120頃か)一〇「男共此を聞て嗚呼(をこ)づき嘲(あざけり)て」
[補注](1)(一)の「源氏物語‐帚木」の例文は、河内本、湖月抄本に「をごめきて」とある。文意からは、得意になって語る、誇らかに調子づいて語る意味ともとれる。
(2)誘うという意味の「おこつる」や、おもに近世になって見られる「勢いづく」の意の「おこづく」との関連も考えられ、「馬鹿にする」と解釈できるところは、「調子づく、勢いづく」という意味にも解釈できる文脈が多く、次項の「おこづく」と同語源かとも思われる。→「おこ(痴)」の語誌

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android