痘瘡(天然痘)(読み)とうそうてんねんとう

家庭医学館 「痘瘡(天然痘)」の解説

とうそうてんねんとう【痘瘡(天然痘)】

 天然痘ウイルスが感染しておこる病気で、高熱と、全身の皮膚や粘膜(ねんまく)に多数の水疱性(すいほうせい)の発疹(ほっしん)が現われ、生命にかかわることが多いものです。
 かつては、インド、パキスタン東南アジアアフリカ南米などの風土病として存在し、ここからもち出されて、欧米諸国や日本でも毎年のように小流行がありました。
 しかし、痘瘡は人間だけがかかる病気で、他の動物はかかりません。また、種痘(しゅとう)で予防できます。
 そこでWHO(世界保健機関)は、第二次世界大戦後、種痘を武器とした痘瘡の撲滅ぼくめつ作戦を発生地で展開した結果、1977年、アフリカのソマリアにおける病人を最後として、痘瘡という病気は地球上から消滅し、撲滅宣言が出されました。
 なお、バイオ・テロのおそれから2003年に1類感染症に指定されています。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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