甲子川(読み)かつしがわ

日本歴史地名大系 「甲子川」の解説

甲子川
かつしがわ

北上高地中の岩倉いわくら(一〇五九・一メートル)(一二九一メートル)かにが岳(九六七・三メートル)仙人せんにん峠などを水源として、甲子地区のほぼ中央を東流、釜石地区を経て釜石湾に入る。支流小川こがわ川が流入した辺りから下流大渡おおわたり川という。延長二〇・七キロ、二級河川。支流に枯松からまつ川・あら川などがある。正保国絵図には釜石川とみえ、歩行渡、広さ五間・深さ二尺と記す。江戸時代末期橋が架けられ、「三閉伊路程記」に「大渡川橋を渡」とあり、「管轄地誌」によると、同川の橋は長さ一〇間・幅二尺、木造。水源地帯はいわゆる釜石鉱山にあたり、安政四年(一八五七)大島高任が大橋おおはしに初めて洋式高炉を築いたのは、原材料とともに甲子川の水流があったからである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報