甲佐(読み)こうさ

改訂新版 世界大百科事典 「甲佐」の意味・わかりやすい解説

甲佐[町] (こうさ)

熊本県中央部,上益城(かみましき)郡の町。人口1万1181(2010)。緑川中流の甲佐盆地に位置し,北東部に甲佐岳がある。町名は阿蘇四社の一つとして知られた甲佐神社にちなむ。1607年(慶長12)に加藤清正が築造した鵜ノ瀬堰から取水する大井手用水が町を貫流し,灌漑用水,生活用水として利用されている。農業が主産業で米作酪農養蚕果樹を組み合わせた複合経営を行う。従来からの製糸製材などの工場に加えて,近年電線などの工場も誘致された。鵜ノ瀬堰の下手には寛永年間(1624-44)に藩主細川忠利のためにつくられたというアユのやな場がある。麻生原には樹齢700年といわれるキンモクセイ(天)がある。
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世界大百科事典(旧版)内の甲佐の言及

【七城[町]】より

…中世に当地を支配した菊池氏の七つの外城跡があり,町名はそれに由来する。明治中期までは菊池川沿いの高島,甲佐は河港としてにぎわい,菊池米などが積み出された。主産業は農業で,すし米,酒造米に用いられる良質米のほか,プリンスメロン,スイカなどが栽培され,養豚も盛ん。…

※「甲佐」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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