田多井村(読み)たたいむら

日本歴史地名大系 「田多井村」の解説

田多井村
たたいむら

[現在地名]堀金村大字三田みた 田多井

角蔵こくぞう山の東麓に位置し、湧水・沢水に富む。初見は、明応一〇年(一五〇一)三宮穂高社御造宮定日記である。湧水の弁天の池下のまゆみ田(馬斎田)馬瀬口ませぐち(小田多井地籍)の地字が残ることから古幡牧(西牧)牧田のあった所とも考えられる。中世からす川から田多井堰を開削して水田を拡大したものと思われ、方格地割がなされている。中世細萱氏が支配し、中世末期に堀金氏が代わって支配する。

江戸時代の初め頃までに大部分が開田されており、寛文六年(一六六六)に田畑入下げ検地を受けて高一五六石を下げてもらっている。これは田多井堰の用水不足によるものである。なお、同四年に松本藩によって堤が築造されている。用水難・痩せ地・山陰等の諸条件が加わって生産が上がらず、延享年代(一七四四―四八)頃から他村へ田地を手放す者が多くなり、高一〇〇石余が岩原いわはら村へ、一〇石余が田尻たじり村・小田多井こだたい(現堀金村)へ譲り渡されて村に困窮百姓が続出する(文化一一年「乍恐難渋奉願口上之覚」丸山房氏蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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