用宗郷(読み)もちむねごう

日本歴史地名大系 「用宗郷」の解説

用宗郷
もちむねごう

江戸期の用宗村一帯に比定される戦国期の郷名。持船もちふねなどとも書く。永禄一〇年(一五六七)二月二八日の一宮元実判物写(駿河志料)および井上継隆判物(南海院文書)によると、元実は得願とくがん(現徳願寺)隠居宗映の要請を受け、当地代官と覚しき継隆の仲立ちで、「用宗郷」当知行のうち石田いしだ村の三貫文の畠地と山を宗映に寺地として渡した。元実は一五貫文を入手し、うち一〇貫文は畠地を抵当にした借金という形をとっているが、実質は売買である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報