日本大百科全書(ニッポニカ) 「瑞泉寺(富山県)」の意味・わかりやすい解説
瑞泉寺(富山県)
ずいせんじ
富山県南砺(なんと)市井波(いなみ)にある真宗大谷派の寺。井波別院瑞泉寺と称し、井波の大御坊(だいごぼう)ともよばれる。杉谷山(さんこくざん)と号する。1390年(元中7・明徳1)本願寺5世綽如(しゃくにょ)の創建。1581年(天正9)佐々成政(さっさなりまさ)はこれを攻め、その跡に城を築いたが、やがて豊臣(とよとみ)秀吉に敗れ、寺も現在地に再興された。その後も1755年(宝暦5)、1879年(明治12)の二度火災にあったが、漸次再建され、今日に至った。近くに綽如の遺骨を祀(まつ)る大谷御廟(ごびょう)のほか、井波城址(じょうし)の旧跡には、綽如の馬のひづめからわき出たという泉(臼浪水)があり、これが寺名の由来となっている。寺創建の際の綽如の勧進状や後花園(ごはなぞの)天皇の宸翰(しんかん)が国重要文化財に指定されている。
[森 章司]
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