独鈷沢村(読み)とつこざわむら

日本歴史地名大系 「独鈷沢村」の解説

独鈷沢村
とつこざわむら

[現在地名]藤原町独鈷沢

南流する男鹿おじか川段丘上にあり、北は中三依なかみより村。川沿いに会津西街道が通り、集落は街道沿いにある。貞享二年(一六八五)の「郷村地方内定風俗帳」には「民屋南北ニ群居東西ニ山有西ニ川有皆畑方也」とある。三依郷の最南端に位置し、はじめ下三依しもみより村と称したという。ある時当村を通った弘法大師が独鈷の先で地面を突いたところ湧水が生じたので、以後村名を改めたと伝える。「新編会津風土記」には九尺四方の独鈷清水があり、水多く最清冽なりと記される。元禄郷帳に村名がみえる。南山蔵入領。

天和三年(一六八三)大地震によって五十里いかり湖が出現すると湖水の増量により翌貞享元年一月一三日には当村中井なかいの畑までが水没、湖尻は当村地内の石木戸いしきど(現鬼怒木付近)にまで及んだ(享保八年「五十里湖水抜につき覚書」赤羽守治文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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