独ポ善隣友好条約(読み)どくポぜんりんゆうこうじょうやく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「独ポ善隣友好条約」の意味・わかりやすい解説

独ポ善隣友好条約
どくポぜんりんゆうこうじょうやく

1991年6月にドイツポーランド間で調印された条約。 90年 11月に調印された国境画定条約とともに,冷戦終結後のポーランドと統一ドイツの関係の基礎となる条約で,条文前文と 38条から構成される。ポーランド国内のドイツ系市民とドイツ国内のポーランド系市民の権利,保護を承認した保護規定を設けているほか,領土・国境の相互不可侵,武力不行使,オーデル=ナイセ流域での地域協力に関する条項も盛込まれており,これによってシュレジエン問題をめぐる長年の両国の対立に終止符が打たれた。 1945年2月のヤルタ会談で,ポーランドの領土は東部の 18万 km2がソ連領となり,西部のシュレジエン地方などドイツ領の 10万 km2が再びその領土に加えられたが,同年8月のポツダム協定では,ポーランド西部国境の最終的画定は保留された。 50年,東ドイツはポーランドとゲルリッツ条約を締結し国境を画定したが,一方西ドイツは 70年にワルシャワ条約で西ドイツ,ポーランド間の領土不可侵と国境を確認したものの,国境画定は統一ドイツによる平和条約締結まで保留されていた。また,91年 10月にはドイツはナチス犠牲者を支援するためのポーランド=ドイツ調停基金に5億マルクを拠出する協定書に調印した。

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