熱海温泉図彙(読み)あたみおんせんずい

日本歴史地名大系 「熱海温泉図彙」の解説

熱海温泉図彙
あたみおんせんずい

一冊 山東京山(岩瀬百樹)

成立 文政一三年自序、天保三年刊

写本 東京都立中央図書館ほか

解説 戯作者山東京山が熱海を訪れた際に、旅宿である本陣渡部彦左衛門家の一色亭に滞在して書上げた熱海とその周辺の地誌。江戸の人々を直接の対象とする。挿画は山東京水・渓斎英泉・宇田川国安。内容は行程(江戸日本橋から熱海まで)、熱海形勝、熱海三路、伊東崎の洞、伊東崎の温泉并怪魚、熱海温泉来由、温泉主治、浴法、湯味、湯潮、熱海七湯、山川、神社、寺院産物遊楽、旅店の一七項目。旅店の項では、大湯を引いて湯場を作り、旅客を泊める客屋は元来二七軒あったが、現在は二一軒で、宿泊方法としては食事付きと自炊方式があると記している。

活字本静岡県史」資料編一五(抄録)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報