日本大百科全書(ニッポニカ) 「焼山(新潟県)」の意味・わかりやすい解説
焼山(新潟県)
やけやま
新潟県糸魚川市(いといがわし)と妙高市(みょうこうし)の境にあり、妙高火山群中で噴火記録をもつ唯一の火山。標高2400メートル。富士火山帯の北端に位置する。基盤の新第三紀層の隆起部(標高約2000メートル)に生じた安山岩の溶岩円頂丘で、その形から茶臼(ちゃうす)岳ともよぶ。山頂火口(御鉢)の北壁は破壊されており、頂部には硫気孔群がある。山腹には爆裂火口や割れ目が発達している。古くから山体の大崩壊や水蒸気爆発を繰り返し、しばしば泥流災害を生じた。第二次世界大戦後も、近くは1983年(昭和58)まで5回噴火し、とくに1974年夏の噴火では登山者3名が噴石で死亡した。景観は豪壮で、妙高戸隠連山国立公園に属する。北側の糸魚川市笹倉(ささくら)温泉からの登山路や、南東側の妙高山、火打山からの縦走コースがあるが、観光開発は遅れている。
[諏訪 彰]