無フィブリノーゲン血症/フィブリノーゲン低下症(読み)むふぃぶりのーげんけっしょうふぃぶりのーげんていかしょう

家庭医学館 の解説

むふぃぶりのーげんけっしょうふぃぶりのーげんていかしょう【無フィブリノーゲン血症/フィブリノーゲン低下症】

 フィブリノーゲンは、血漿(けっしょう)(血液中の液体成分)中に含まれるグロブリン(たんぱく質)の一種で、線維素原(せんいそげん)ともいいます。
 フィブリノーゲンは、血漿1dℓ中に0.3g含まれていて、出血の際の止血機構の一役をになうはたらきをしています。
 このフィブリノーゲンが欠如している病気を無フィブリノーゲン血症といい、出血傾向(しゅっけつけいこう)をおこすまれな病気です。
●原因
 先天性と後天性のものがあります。
 先天性のものは、劣性遺伝(れっせいいでん)します。
 後天性のもの(フィブリノーゲン低下症)は、重症の肝硬変(かんこうへん)や急性黄色肝萎縮(きゅうせいおうしょくかんいしゅく)、骨髄(こつずい)へのがん転移、白血病(はっけつびょう)、敗血症(はいけつしょう)などにともなう播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん)(DIC)でみられます。また、妊娠が誘因になることもあります。
●治療
 フィブリノーゲンの静脈注射を行ないます。
 先天性のものは、予後が良好なことが多いといわれます。

出典 小学館家庭医学館について 情報