為遣(読み)してやる

精選版 日本国語大辞典 「為遣」の意味・読み・例文・類語

して‐や・る【為遣】

〘他ラ五(四)〙
① 思いどおりにうまくかたづける。首尾よくやりおおせる。「してやった(り)」の形で感動詞的に用いることもある。
狂言記・雁争(1700)「是に雁がある、これはとりたい物じゃ〈略〉先雁はしてやった」
② ごまかしてうまく取る。だまし取る。盗み取る。せしめる。
浮世草子好色一代男(1682)二「適々(たまたま)手にふれし銀子をしてやり」
③ 思う存分食べる。くらう。
※浮世草子・人倫糸屑(1688)血気勇者「食事飽(あく)までしてやり」

し‐や・る【為遣】

〘他ラ四〙 とどこおりなく事を行なう。すっかりなし終える。処置する。
落窪(10C後)四「しやらんやうもおぼえで、母北の方にいひやる」
源氏(1001‐14頃)浮舟「この人々もはかなきことなどはしやるまじく」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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