滝門寺(読み)りゆうもんじ

日本歴史地名大系 「滝門寺」の解説

滝門寺
りゆうもんじ

[現在地名]真鶴町岩 滝ノ元

いわ港の西、小松こまつ山の東山麓にある。曹洞宗、多宝山と号し、本尊釈迦如来。もと伊豆南条なんじよう昌渓しようけい(現静岡県田方郡韮山町)の末。宝暦一三年(一七六三)の滝門寺由来書(滝門寺文書)と天保四年(一八三三)の御調書上帳(同文書)によれば、古は密教寺院で、その後荒廃したのを原行(永正元年没)・月桂が当宗に改め、天正元年(一五七三)に林屋が中興したと伝え、寺名は本堂裏にある滝に由来するという。応安七年(一三七四)二月一八日、五山僧義堂周信は熱海の途次に訪れ、瀑布を見て詩作している(空華集)。関東大震災によって水枯れとなり往時壮観を失った。

延宝八年(一六八〇)の覚(滝門寺文書)によれば、寺領石高二石五斗余、末寺に岩集落内に長昌ちようしよう院・如来によらい寺・実相じつそう院があったが、いずれも明治維新後廃寺。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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