日本大百科全書(ニッポニカ) 「溝口(川崎市)」の意味・わかりやすい解説
溝口(川崎市)
みぞのくち
川崎市北西部、高津区の中心市街地。JR南武線と東急電鉄田園都市線が交差し、国道246号・409号が通じる。江戸時代には脇(わき)往還矢倉沢往還(やぐらさわおうかん)(大山街道)の宿場町で、武(ぶ)・相(そう)(神奈川県)、駿(すん)・豆(ず)(静岡県東部)諸地方から江戸へ往復する旅人、それらの地方から江戸送りする商人荷物、多摩川を下ろす米、木材、それに地元産の和紙、下駄(げた)などの運送、取引などでにぎわっていた。街道や宿場の歴史に関する資料などを展示した大山街道ふるさと館がある。こうした流通の要地としての重要性はいまに引き継がれ、それに第二次世界大戦後は弱電機その他の内陸型工業もおこり、急速に市街化し、川崎市の副都心としてさらに駅前の再開発が進められている。
[浅香幸雄]
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