渡古戦場(読み)わたりこせんじよう

日本歴史地名大系 「渡古戦場」の解説

渡古戦場
わたりこせんじよう

[現在地名]岡崎市渡町

矢作川右岸沿いの低い自然堤防上、下渡の諏訪すわ神社一帯。「三河物語」「三河堤」などによると、天文一一年(一五四二)松平八代広忠の叔父城主松平信孝は、広忠の弟康孝が没した後、その領地押領し強勢となった。広忠は信孝の駿府すんぷ(現静岡県静岡市)参向の留守に乗じ、翌年八月三ッ木城を攻略しその領地を奪取。帰来した信孝は織田信秀に属し、大岡おおおか城主(現安城市)となり広忠に抗戦し、矢作川右岸は安祥あんしよう(現安城市)を拠点とする織田方の前線基地となった。

さらに「三河物語」「三河栄秀記」などによると、同一六年九月二八日、信孝は一挙に岡崎城攻略を企て上野うえの城主酒井忠尚・上和田かみわだ城主松平忠倫らと、織田軍の支援により渡理河原に打って出た。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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