深仙宿(読み)じんぜんのしゆく

日本歴史地名大系 「深仙宿」の解説

深仙宿
じんぜんのしゆく

釈迦しやかヶ岳の南、大日だいにち岳との間の平坦地で標高一五〇〇メートル。大峯七十五靡三八番の宿。大峯全山の中央に位置する。ここから北を金剛界、南を胎蔵界と称し、北は蔵王権現、南は熊野権現によって表示されるという。いま三間に四間の本堂役行者・前鬼・後鬼・八大金剛童子・不動明王を安置しその左右に知証大師像と理源大師像を祀る。正面中央の額に「大峯中台八葉深山大灌頂堂」とあるが、古来熊野山と金峯きんぶ山の中央にある峯中中台の道場、金胎両部の中台八葉である大日如来の座として神聖視され、天台修験(本山修験)が高祖大師以来相承の深仙灌頂の最極秘所であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報