浚・渫(読み)さらう

精選版 日本国語大辞典 「浚・渫」の意味・読み・例文・類語

さら・う さらふ【浚・渫】

[1] 〘他ワ五(ハ四)〙
① 川・池・井戸などの底にたまっている土砂などを掘り上げてすっかり取り去る。かきのける。
兵範記‐仁平二年(1152)八月一五日「雨脚如浚、河水不通」
名語記(1275)八「池溝なとをさらふ如何、答とも避掃ともかけり、掃治の義也」
② 比喩的に、胸のうちにある思いをことばなどにしてすっかり外に出す。
半日(1909)〈森鴎外〉「いつも言ふ丈の事をさらってしまふと、暫くは黙ってゐる」
[2] 〘他ハ下二〙 ⇒さらえる(浚)

さら・える さらへる【浚・渫】

〘他ハ下一〙 さら・ふ 〘他ハ下二〙 (室町時代頃からヤ行にも活用した。→さらゆ) 川・池・溝・井戸などの底にたまっている土砂などを掘り上げてすっかり取り去る。かきのける。さらう。
※山王絵詞(1310頃)一三「またふりを以て、河をさらふるあり」

さらい さらひ【浚・渫】

〘名〙 (動詞「さらう(浚)」の連用形名詞化) さらうこと。かきのけること。掃除。さらえ。
散木奇歌集(1128頃)冬「さらひする室の八島のことこひに身のなりはてん程を知る哉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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